第一回影踏みオン ORASトリプル ふりかえり前編
トリプルバトラーのエトランゼさん主催の第一回影踏みオンといったトリプルバトルのオンに参加させていただいて優勝できたことから記事を書かなければならない使命感を持ったため、筆を取ることとした。今回のルールである10パートナーズとは、あらかじめ10匹のポケモンを登録し、これらは参加者全員に公開され、その後に行われる試合では自分が登録した10パートナーズの内から6匹、あるいは5匹選択して残りの1匹は自由にポケモンを連れてきて対戦する形式である。
記事が長くなるため前編と後編に分け、本記事では選ばれた10パートナーズと予選での各対戦相手についての考察を述べる。
①選ばれた10パートナーズ
ダークホールが使用であるため、ドーブルの使用率が普段より少なからず減少することが予想されることもあり、ガルーラへの対策として威嚇を絡めたトゲキッス@ゴツゴツメットを使ってみたいと考え、ランドロスとトゲキッスの採用が決まった。トゲキッスへ大きく圧力をかけられるヒードランやギルガルド、キリキザンに対するポケモンとしてヒードランの他、ねこだましポケモンとしてガルーラとドーブルの採用が決まった。ドーブルはガルーラと異なりキノコのほうしやあくまのキッスで継続的に行動を制御できる点が優れている他、メガ枠をガルーラ以外にする場合でもねこだましポケモンとして採用できる利点がある。また、ガルーラトゲキッスと並べてガルーラがグロウパンチする展開も用意したいと考え、トゲキッスが疲労してもS操作できるようファイアローを採用した。
ここまで一つの構築がほぼ完成しており、別パターンの構築を用意することに至った。自分は次世代(ここでは7、8世代)の戦法を過去の世代(ここでは6世代)に流用することが好きなため、トリックルームを絡めた弱点保険バンギラスを使いたいと考えた。具体的には対モロバレルに挑発を持つことができるかつじならしを覚えるサマヨールと、ファイアローに脅かされない全体技持ちのアタッカーとしてバンギラスを採用した。保険発動後のダブルダメージのいわなだれではメガガルーラ等に耐えられてカウンターをくらいかねないが、ここでもトゲキッスがすんなり入ってくる他、耐久を高めたガルーラなど既に採用されたポケモンが形を変えて入って来やすいことが美しいと感じた。この戦法はバレにくいようにしてから使うのが得だと考え、サマヨールは自由枠で採用することにした。
使いたい構築は以上となり、余った3枠に採用されるポケモンを考えた結果、叩き役を自由枠にしてテラキオンをパートナーズに採用することに至った。このルールはニョロトノキングドラやバンギラスドリュウズなど、2匹以上が要求される天候構築はパートナーズの見せ合いの段階でバレてしまい、バンギラスドリュウズやニョロトノキングドラなどを例にとっても弱点が被りやすいため、これら天候構築の数少なく、あるいはパートナーズ見せ合いの段階で対策を個別に用意できると考え、叩きギミックが通りやすいと予想したからである。また、相手視点でどのポケモンが叩き対策として用意されるかが想定しやすいことも利点である。
残りの2枠については、これまでで鬼火ウォッシュロトムがつらいことや強い全体技をもつことによってパートナーズ見せ合いの段階でゲームメイクしやすいことを踏まえてニンフィアの採用、中々倒しにくいワイドガード持ちが一体でもいるとこちらとしても動きやすく相手からしても構築を考える難易度が上がると考えてギルガルドの採用に至った。
②各対戦相手への考察(予選)
vsだいごさん
ニドクインとナットレイ以外にはフェアリースキンのハイパーボイスが刺さっている印象を受け、ボーマンダやゴツゴツメットを持ちうるトゲキッスも見えている以上はガルーラ軸で戦うよりはサーナイト軸で戦う方が勝算があると予測して、パートナーズからニンフィア、自由枠としてメガサーナイトを採用した。複数回ハイパーボイスを打つことが勝ち筋になると考えてこのゆびとまれトゲキッスも採用し、トリックルームを絡めたナットレイがきついためヒードランとファイアローを採用。ファイアローは畳返しゲッコウガより早く動けることが重要だと考えていた。最後にトゲキッスの延命やこだわっていないゲッコウガを上から叩くポケモンとしてスカーフランドロスを採用した。相手の構築は全体技を持つことで叩きに有利がとれるニョロトノキングドラを軸に、対ガルーラとして機能しやすいメガボーマンダ、対フェアリーとしてナットレイが予想された。
相手の構築予想
@2
もちもの |
わざ |
とくせい |
||||
サーナイトナイト |
まもる |
|||||
せいれいプレート |
めいそう |
みきり |
||||
オボンのみ |
あくび |
まもる |
きょううん |
|||
シュカのみ |
ねっぷう |
だいちのちから |
にほんばれ |
まもる |
もらいび |
|
するどいくちばし |
おいかぜ |
まもる |
||||
じしん |
ばかぢから |
とんぼがえり |
いかく |
特筆すべきポケモン
①トゲキッスは以下の攻撃を耐える配分とした。
・火力アイテムなし変幻自在ゲッコウガのダストシュート
②ヒードランはニドクインより早く動けるように臆病最速を選択した。
③ メガサーナイトはメガボーマンダのすてみタックルを耐える配分にすべきではあった。
実際の試合
vs
BV: J22G-WWWW-WW6W-G7LQ
自由枠にメタグロスが選択されており、こちらはフェアリータイプが多いため、一手間違えればメタグロスに100匹抜きされてしまうことが予想できた。しかし、メタグロス以外にはフェアリー技の通りが非常に良いという印象を持った。
ボーマンダやクレセリアがS操作を行ってきたため、トリックルームで切り返しその後相手に追い風があるトリックルーム下でこちらのヒードランがにほんばれを選択すると相手のニョロトノが先に動いてヒードランが倒れたことでメタグロスの処理が難しくなったがいかくを入れた上でトゲキッスのあくびなどを絡めてなんとか勝利した。
vsカルフールさん
ワイドガードを使えるポケモンがおらず、バンギラスを一撃で倒せるポケモンが少ないため、サマヨール+弱点保険バンギラスの並びを使うことにした。ボーマンダとランドロスの威嚇2匹を選択された場合のみ保険バンギラスが通らなくなるが、こちらが自由枠としてミロカロスを採用した場合を考えると威嚇2匹の選択は難しいと考えていた。バンギラスの援護としてトゲキッス、トリックルームを打ちやすくするためのねこだまし兼トリックルーム下でバンギラスの取りこぼしを処理するガルーラ、ニンフィアに有利をとれるギルガルド、様々な場面で有効に働く威嚇をもつランドロスを採用した。スイクンの処理が遅く感じるが、スイクン以外は早急に処理しやすいことからあくびや高火力技を振りかざして誤魔化すことになった。相手の構築予想では、てだすけじしんの動きができるクレセリア+こだわりスカーフランドロスや、くさむすびでテラキオンを倒せる他ミロカロスにも有利がとれる命の珠ボルトロスや横取りなどが使えるファイアローなど、素早いポケモンで叩きギミックに択勝負をしかけてくると考えられた。
相手の構築予想
@4
もちもの |
わざ |
とくせい |
||||
けたぐり |
まもる |
すなあらし |
||||
じならし |
かなしばり |
ちょうはつ |
おみとおし |
|||
オボンのみ |
あくび |
まもる |
きょううん |
|||
ガルーラナイト |
おんがえし |
けたぐり |
ふいうち |
おやこあい |
||
いのちのたま |
ラスターカノン |
キングシールド |
バトルスイッチ |
|||
じしん |
ばかぢから |
とんぼがえり |
いかく |
特筆すべきポケモン
①サマヨールのかなしばり
バンギラスの弱点をつける鋼タイプや格闘タイプがトゲキッスやガルーラの弱点でもあったため、バンギラスへの有効打が場に出やすいことからかなしばりが働きやすい点を評価して採用した。
②ガルーラはメガ進化後に以下の攻撃を耐える配分とした。
・臆病メガリザードンYのオーバーヒート
・火力アイテムなしランドロスのばかぢから
実際の試合
vs
BV: VZJW-WWWW-WW6W-G7MX
選出時点でミロカロスを持って来れば良かったと非常に後悔した。試合途中にバンギラスを安全に着地させたが保険発動の準備が整う過程でバンギラスが威嚇を2回くらい、このままサイクル戦をやってしまうとこちらが不利だと判断して保険を発動させて威嚇を帳消しにして押し切る形を取ることにした。トリックルームを返されたが、ここで相手に追い風が吹いていたことを忘れた立ち回りをしてしまい、バンギラスが一撃で倒された。その後、ガルーラのふいうち択勝負に2度負けて数的不利をとりそのまま敗北した。
vsバイトぽけさん
はらだいこマリルリ+モロバレルの並びに対する策として、ファイアロー、カットロトム、トリトドン、ぼうじんゴーグル等を考察したが、ヒードランファイアロー以外には一撃で倒されない点を評価してモロバレルを自由枠として連れて行くことにした。したがってメガ枠としてガルーラを採用し、ゴツゴツメットモロバレルを上手く使ったヒードランやバンギラスがつらいと考えてランドロス、ギルガルドモロバレルの並びに有利をとれるヒードラン、トリックルームからのモロバレルがきついと考えてファイアローを採用した。最後に誰に対しても殴り合いができそうな弱点保険ギルガルドを採用した。相手の構築には対ガルーラとしてランドロスを絡めたゴツゴツメットモロバレル、モロバレルを迅速に処理できるこちらのファイアローやヒードランに有利がとれるバンギラスあるいはマリルリ、モロバレルを絡めてミラーで有利に立とうとするヒードランが予想された。叩きの対策としてはギルガルドが考えられた。
相手の構築予想
()@2
もちもの |
わざ |
とくせい |
||||
バコウのみ |
キノコのほうし |
いかりのこな |
まもる |
さいせいりょく |
||
ガルーラナイト |
おんがえし |
まもる |
おやこあい |
|||
じしん |
ばかぢから |
はたきおとす |
いかく |
|||
たべのこし |
ねっぷう |
だいちのちから |
みがわり |
まもる |
もらいび |
|
するどいくちばし |
おいかぜ |
まもる |
||||
ラスターカノン |
キングシールド |
バトルスイッチ |
特筆すべきポケモン
①モロバレルは火力アイテムなしヒードランの火炎放射を耐える配分とした。
②ガルーラは陽気ASとし、サンダー等より早く動けるようにした。モロバレルのサポートを受けられること、相手のパートナーズは中速が多いことを考慮してグロウパンチを採用した。
③ランドロスはサンダーより速く動ける可能性を高めるべく陽気とした。配分はASベースである。
④ヒードランは身代わりが火力アイテムなしランドロスの岩雪崩ダブルダメージで割れ且つ臆病最速とした。
実際の試合
vs()
BV: 過去を振り返らない質であるため保存できなかった。
ガルーラ軸は予想していなかったが、モロバレルがいないのでこちらのガルーラが非常に通りやすいと判断した。1ターン目からトリックルームが貼られ、初手から出していたこちらのモロバレルが複数回キノコのほうしを打てる有利な展開となるはずだった。ここで自分の脳内で相手の裏にモロバレルがいると考え始め、こちらのキノコのほうしがモロバレルへの交代で無効化されることを読んだ動きをしてしまった。相手のモロバレルの幻覚に惑わされている隙にこちらのモロバレルが大ダメージを受け、更にヒードランに身代わりを貼られ、ほぼ何もできずに負けてしまった。6匹で戦うルールで7匹持ち込んでいるのはルール違反だと思ったが、マリルリとモロバレルをパートナーズに選択したことによってモロバレルを常に意識させる上手い盤外戦術にやられたと我に帰った。
vsしわしわさん
複数の構築パターンが見えており、全てを対応しようとすると非常にきつい。具体的には以下の構築を予想していた。
①
②()
③
②と③は融合している形も考えられた。最終的にはゴツゴツメットモロバレル+耐久の高いガルーラ+弱点保険バンギラスで殴り合いに有利になることを考えた。コジョンドが見えていたこともあり、ガルーラを複数回動かすことが大きな勝ち筋であったため、トゲキッスを採用した。残りは対リザードンにも対ガルーラにも機能しやすいランドロス、トリックルームを絡めたナットレイに有効打があり且つ雨構築にも刺さりやすいファイアローを採用した。
もちもの |
わざ |
とくせい |
||||
キノコのほうし |
いかりのこな |
まもる |
さいせいりょく |
|||
ガルーラナイト |
おんがえし |
まもる |
おやこあい |
|||
けたぐり |
まもる |
すなおこし |
||||
オボンのみ |
あくび |
まもる |
きょううん |
|||
じしん |
ばかぢから |
とんぼがえり |
いかく |
|||
するどいくちばし |
おいかぜ |
まもる |
特筆すべきポケモン
①ガルーラはメガ進化後に以下の攻撃を耐える配分とした。
・臆病メガリザードンYのオーバーヒート
実際の試合
vs(ガルーラはレベル1)
BV: D6HW-WWWW-WW6W-FMZC
思わぬ構築が飛んできたが、構築予想の②に分類できなくはない形であり、モロバレルはかなり刺さっていた。ガルーラのがむしゃらやしんぴのまもりに苦戦はしたものの、トゲキッスがしばらく生き残る展開となり、ファイアローのつるぎのまいからの切り返しが決まり、勝利した。
vsタケダさん
叩きのケアとしてバンギラス+ドリュウズ+飛行ポケモンが採用されると考えられた。砂構築は対ガルーラとして素早いポケモン2匹以上やゴツゴツメットポケモンによる処理を行ってくることが多いことを踏まえた構築予想は以下のようになった。
①@3
②()(威嚇)@2
③(①や②との融合が考えられる。)
ここでいかく2匹がパートナーズに採用されていたカルフールさん戦にてミロカロスを連れてこなかったことによる後悔を踏まえて自由枠にミロカロスを採用した。ミロカロスはいかくのサポートがあると生き延びやすくなるためランドロスを採用し、バンギラスドリュウズに殴りあえるメガ枠としてガルーラを採用した。更に、モロバレルへの炎打点をもちバンギラスドリュウズを前にファイアローよりは動かしやすいヒードランを採用した。残りはミロカロスやガルーラのサポートとしてトゲキッス、ニンフィアやランドロスドリュウズバンギラスなど全体技をもつポケモンが多いことからワイドガードギルガルドを採用した。
もちもの |
わざ |
とくせい |
||||
オボンのみ |
ねっとう |
こごえるかぜ |
しんぴのまもり |
かちき |
||
じしん |
ばかぢから |
はたきおとす |
いかく |
|||
ガルーラナイト |
おんがえし |
けたぐり |
ふいうち |
おやこあい |
||
シュカのみ |
ねっぷう |
だいちのちから |
げんしのちから |
まもる |
もらいび |
|
ひかりのこな |
あくび |
まもる |
きょううん |
|||
たべのこし |
ラスターカノン |
キングシールド |
バトルスイッチ |
特筆すべきポケモン
①ミロカロスの配分は図太いHBベースであり、初手から出していくためモロバレル対策のしんぴのまもりが採用された。
②ガルーラはメガ進化後に以下の攻撃を耐える配分とした。
・臆病メガリザードンYのオーバーヒート
・火力アイテムなしランドロスのばかぢから
③ヒードランは控えめCSとし、様々な相手への処理速度を高めた。
④トゲキッスは以下の攻撃を耐える配分とした。
また、アイテムはアッキのみが優れていると考えたが秘密基地のトレーナーにきのみシューシューをお願いしたところアッキのみが出なかったため光っている粉を持たせることにした。
実際の試合
vs
BV: U55G-WWWW-WW6W-G7M5
非常にきついと思っていたミロカロスが来てしまった。ドリュウズバンギラスを早急に処理してトゲキッスであくびをする展開か、早い段階でガルーラでミロカロスを処理する展開を考えていた。こちらのミロカロスがほぼ仕事できずに倒れたが、相手のミロカロスを眠らせることに成功し、眠りから覚めてじこさいせいされると試合が終わってしまうため殴り続けたことで功を奏し、ミロカロスを処理して有利をとり勝利した。
<予選を終えて>
予選結果はブロック内で3-2となり、同率2位が3人であったが直接対決により本戦に上がれることとなった。本戦については次の記事にて述べる。また、総括として様々な自由枠を採用してきたことをふまえた10パートナーズについての感想についても述べるつもりである。
予選の時点でここまで記事が長くなってしまったが読んで下さった方に感謝。感謝。